はじめに。
「男のスキンケアは意味がない」「化粧品業界に踊らされてるだけ」といった話を聞いたことがあるかもしれません。実際に、スキンケアをしない男性は多いし、困ってないから不要と考える男性も多いのではないでしょうか。しかし、医学的、科学的に見るとどうでしょうか？医学生の視点からエビデンスベースで話していきたいと思います。
1.男のスキンケア不要論の根拠とは？
スキンケア不要はの主張は大きく分けると3つに整理できます。
①皮脂が多いから保湿は不要？
結論からいうと間違いです。男性が女性より皮脂が多いのは事実です。(約２倍)しかし、「皮脂が多い＝水分保持能力が高い」というこわけではありません。皮脂と水分は別物で、肌のバリア機能を維持するためには適度な水分補給(保湿)は必須です。
②化粧品業界のマーケティング戦略？
確かに、マーケティングの要素ではありますが、スキンケアの効果は科学的に証明されています。実際、スキンケア商品が高額なのは事実ですが、全てが無駄というわけではありません。例えば、紫外線対策や保湿は皮膚科学の研究でも肌の健康維持に重要とされています。なので、全てのスキンケア商品を買う必要はありませんが、最低限のケアは科学的に意味があります。
③「昔の人はスキンケアなんてしていなかった。」論
この意見に関しては昔の人間と今の人間では肌環境が全く違います。昔は今ほど、大気汚染や紫外線量の影響が深刻ではありませんでした。現代は紫外線、エアコン、PM2.5など肌に悪影響を及ぼす要因が増えています。さらには昔の人はシミ、シワ、肌荒れを気にしなかっただけという可能性もあります。
2.科学的に見たスキンケアの重要性
では、実際にスキンケアがどのような効果をもたらすのかを科学的に解説していきます。
①肌のバリア機能と水分保持の重要性
皮膚にはバリア機能があり、外部刺激から守る役割を果たしています。しかし、乾燥するとバリア機能が低下し、炎症や肌荒れの原因となります。男性の肌は皮脂が多いですが、水分はすぐに蒸発してしまうので、適度な保湿が重要です。
②紫外線と老化の関係
肌の老化の80%は紫外線が原因です。(光老化)シミ、シワ、たるみ、の大きな原因は紫外線ダメージの蓄積です。紫外線は夏だけでなく、1年中降り注いでいるため、年間を通して対策をするべきです。日焼け止めは女性のものと思っている男性が多いと思いますが、男性こそ日焼け止めを塗るべきです。
③肌トラブルを防ぐには？
ニキビの原因の一つは皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まりです。しかし、洗顔のしすぎで皮脂を落としすぎると、逆に乾燥を招き肌が皮脂を過剰分泌することがあります。
適切な洗顔、保湿、紫外線対策を行うことでニキビや肌荒れを予防することができます。
③医学生が推奨する最低限のスキンケア
スキンケアにお金と時間をかけたくない人向けに、最低限これだけやればOKという方法を紹介します。
①洗顔(朝・晩)
朝は寝ている間に分泌された皮脂や汗を落とすために、洗顔が必要です。夜は外出中に付着した汚れや皮脂を落とすために洗顔をします。
洗顔料の選び方
- 刺激が強すぎるもの避ける。(アルコール入り等)
- 洗顔後につっぱらないものを選ぶ。
②保湿(化粧水＋乳液orシンプルな保湿剤)
- 化粧水→肌に水分を補給する。
- 乳液orクリーム→化粧水の蒸発を抑える。
- オールインワンジェルでもOK(めんどくさい人向け)
- 高いものを買う必要はない。
③紫外線対策(UVカットは最強のアンチエイジング)
日焼け止めを塗る習慣をつけるだけで、将来の肌が変わる。
選び方のポイント
- SPF30〜50/PA＋＋＋以上推奨(夏場やアウトドアは５０＋以上
- ベタつきにくい、白浮きしないタイプを使えば使いやすい。
- 日焼け止めが苦手な人はUVカット成分配合の乳液でもOK
4.結論：「男のスキンケアは意味ない」は間違い
- 皮脂が多くてもスキンケアは必要。(水分蒸発を防ぐため)
- 紫外線対策をしないと老化が加速する。(シミ、シワ、タルミ)
- 最低限のケアをするだけで肌は変わる。
- 高額な化粧品は不要。シンプルなケアでOK。
まとめ
スキンケアは不要と思っていた人も、最低限のケアをすれば肌の状態は良くなる。今すぐに始められるシンプルなスキンケアを実践してみよう。
